【最新】ロゴデザインを学ぶおすすめ本

ロゴデザインを学ぼう
日々、世の中には素晴らしいロゴのグラフィックをいたる所で見ます。本日はデザインのインスピレーションから、ロゴに関するデザインの原則などのスキルを学べる書籍を紹介します。見てるだけで楽しめるロゴのコレクションや、どのようなところからスタートしていくかを学べる入門書籍など参考にしてみて頂ければと思います。
たのしいロゴづくり -文字の形からの着想と展開
ロゴデザインの基礎づくりに
ロゴデザインのテクニック、アイデア帳的内容から実際の企業とのやりとりを含めたメイキングまで収録されており、ロゴデザインの教科書と言える一冊です。文字の形から着想を得ていて、1文字1文字丁寧に解説されている為、独学でロゴデザインを始める方にぴったりです。テクニックの紹介がとても役に立ちます。

はじめに
若い頃、ロゴのデザインは、きっと自分とは異なる何か特殊な技術を持った専門家の仕事なのだと感じていました。
それくらい私にとって、ロゴは別世界のデザインでした。ところがある時、ロゴを得意とするアートディレクターの方に、「ロゴは文字の延長線を考えるんだ」と教わり、急激にその面白さに目覚めることになりました。「文字の延長線」。それは言い換えるなら、文字の形としての可能性を考えることです。
私たちが“A”という文字の形を思い浮かべる時、多くは明朝体(セリフ)やゴシック体(サンセリフ)の“A”くらいではないでしょうか。しかし、真剣に文字を見つめてみると、実は数限りない“A”の形が存在します。
「こんな形でも“A”と読めるんだ」「あ、こういう“A”もあるんだな」。
そんな驚きと面白さが、私をグイグイと文字の世界に引き込んでくれました。そして、書体が持ついろいろな「文字の形」には、実はロゴづくりのための多くのヒントが隠れていることを知りました。
本来ロゴというものは、企業やブランドの顔であり、未来を左右する大きな責任を背負っています。デザインとしての魅力だけでなく、クライアントの「想い」がしっかりと込められた形なのです。
この本では、ロゴづくりの技術や考え方をはじめ、ロゴのヒントとなるいろいろな「文字の形」を知って頂きたいと思います。これらの知識と実践の積み重ねがロゴに「想い」を込められる、大切な一歩となるからです。本書が皆様のロゴづくりにとって、お役に立ちましたら幸いです。
目次
はじめに
ロゴづくりの前に
欧文書体の種類とイメージ
和文書体の種類とイメージ
文字の選び方
1欧文ロゴのテクニック
文字をカットする
文字を伸ばす
文字をつなぐ
一文字を大きくする
図形の中に入れる
一部に色をつける
違う太さを組み合わせる
シンボルを入れる
文字のバリエーションを使う
個性的な文字を使う
オリジナルの文字をつくる
エレメントに手を加える
既存の文字を使う
違う書体を混ぜる
2文字の形を知ろう
「文字の形」の分類について
A B C D E
F G H I J
K L M N O
P Q R S T
U V W X Y Z
書体一覧
ひとつ上のロゴテクニック
「先端にクセのある形」を使う
「一部をカットした形」を使う
「一部に丸みのある形」を使う
「線を伸ばした形」を使う
オリジナル文字をつくるコツ
3和文ロゴのテクニック
和文ロゴについて
文字をカットする
文字を伸ばす
シンボルを入れる
オリジナルの文字をつくる
エレメントに手を加える
アンバランスにする
欧文のパーツを使う
4メイキングで見るロゴづくり
BS1/BSプレミアム
PeopleDesign
AquaCreation
海外ネットワーク
キャッチコピー大百科
バカ親は私でした?!
あとがき
ロゴづくりの前に
日頃、私たちはロゴを「ロゴマーク」「ロゴタイプ」「シンボルマーク」など、これら全てを表す言葉として使っています。しかし、正確にはロゴタイプを略した言葉が「ロゴ」になります。そして、ロゴタイプとは文字を使って、社名や商品名をひとつのまとまりとして表すことを言います。
それでは、ロゴづくりがうまくなるには、何が必要なのでしょうか?私は次の4つのことが大切だと思います。
1.基礎的な技術を学ぶこと
2.いろいろな文字の形を知ること
3.質の高いロゴを見ること
4.しっかりと自分の頭で考えること
「学ぶこと、知ること、見ること、考えること」。ロゴデザインに限ったことではありませんが、これらがロゴをデザインする上での「アイデアカ(発想力)」「技術力」、そして「センス」を養い、能力を伸ばします。現在、世の中には、たくさんのロゴが溢れています。そして、良いものと、そうでないものが当然あります。「良いロゴ」についての考え方は、人それぞれだと思いますが、私はこのように考えています。「企業や商品のコンセプトがしっかりと込められ、且つデザイン的に魅力的なもの」。
若い時には、どうしてもカッコ良いデザインをしたいものです。しかし、形だけを追ってしまうと、中身の無いうわべだけのデザインになってしまいます。また、その逆もあります。コンセプトはしっかりと込められているけれど、デザイン的に魅力的でない場合です。デザインとは、やはり見た目の美しさや意外性など、見る人を惹きつけることが必要なのです。この2つを上手く兼ね備えたものが、良いロゴだと考えています。それではロゴづくりの実践を学ぶ前に、ロゴには大きく分けて下記の2種類があることを、まずは知ってください。
1.オリジナリティのあるロゴ
企業や商品の内容に合わせ、デザインをしたものです。それぞれの特長やコンセプトを踏まえてデザインするため、企業や商品を表す究極の形になります。
2.既存の書体をシンプルに組んだロゴ
既存の書体から、最も適した書体をセレクトする方法です。欧米などで使われる手法で、高級ブランドなど、本物感を演出する場合に適し、流行にも左右されないという利点があります。
本書では、日本のデザインの現場で多く求められる「オリジナリティのあるロゴ」のつくり方を紹介していきます。ロゴの場合は、まずは書体選びがポイントになりますので、そのことを簡単に説明したいと思います。
欧文書体の種類とイメージ
ここでは、欧文書体を大きく分類し、書体が与えるイメージや効果を簡単に解説します。まずは、大まかな文字の種類と印象を知ってください。
[セリフ書体]=高級感・格調
和文書体で例えるなら、明朝体にあたります。「高級感」「格調」「伝統的」な印象を与えます。大きく分けると2種類あり、ブラケットセリフ(左)は古典的な印象、ヘアラインセリフ(右)は近代的な印象になります。
※ブラケットセリフは、先端のセリフ部分が手書き風のもの。ヘアラインセリフは、一本の線のように非常に細くなっているもの。
[サンセリフ書体]=現代的
こちらは和文書体でいえば、ゴシック体にあたります。セリフ書体に比べ、現代的な印象です。私の場合は、太い書体は「信頼感」や「安定感」。細い書体は「軽やかさ」や「スタイリッシュ感」を出したい時に、それぞれを選んでいます。
[スラブセリフ書体]-インパクト
どっしりとした厚いセリフが特長です。もともとは広告用に人目を惹くためにつくられた書体で、セリフとサンセリフの両方のイメージを併せ持っています。文字にインパクトを出したい時に効果的です。
「スクリプト書体]=洗練/親しみ
手書き風で、次の文字につながるように書かれた「筆記体」です。大きく分けると2種類あり、美しいカリグラフィの文字(左)は、洗練さや高級感を与え、サインペンで書いたような文字(右)は、親しみやすく温かな印象になります。
「ディスプレイ書体]=個性的
広告物や看板などのタイトル用につくられた、デザイン性の強い書体です。ディスプレイ書体は幅が広いため、種類が膨大にあります。個性的な印象を与えたい時に効果的です。
[銅版系書体]-高級感・知的
最後にもうひとつ知っておくと良いのが、銅版印刷系の書体です。柔らかな金属の板に彫刻刀や鉄筆で彫った文字が元になっています。高級感や上質さ、知的な印象を与えることができます。
※スクリプト書体の一部(例えば、ShelleyAllegroScriptや、SnellRoundhand)も、このカテゴリーに入ります。
和文書体の種類とイメージ
欧文同様に、和文書体を大きく分類し、書体が与えるイメージや効果を解説します。
ロゴづくりの参考にご覧ください。
[明朝体]=格調・フォーマル
明朝体は、「高級」「洗練」「格調」「クラシカル」「フォーマル」といった印象を与えます。ゴシック体よりも見た目はシャープな印象になり、真面目さや繊細な印象を与えます。
[ゴシック体]=現代的・カジュアル
明朝体に比べ、「現代的」「カジュアル」「若さ」「親しみやすさ」といった印象を与えます。同じゴシック体にも、左のように手書きの筆の運びを感じさせるものや、右のように定規とコンパスで書いたようなものがあります。
[丸ゴシック体]=かわいさ・安心感
ゴシック体の先端が丸くなったもので、ゴシックの特長である「カジュアル」や「親しみやすさ」に加え、「かわいさ」や「温かみ」があり、見る人に安心感を与えます。
[筆書体]=伝統・和風
筆で書かれたような文字を言います。筆書体には、楷書、行書、隷書、草書、勘亭流など、さまざまな種類があり「伝統」を感じさせます。和風な印象や、古典的な雰囲気を出したい時に効果的です。
[デザイン書体]=個性的
欧文書体のディスプレイ書体同様に、このカテゴリーは幅広く、左の「フォーク」のように、真面目な印象のものから、右の「キリギリス」のように、くだけた書体まであります。求めるイメージに合った書体を的確に選ぶことが大切です。
[築地体/秀英体]-上品/リズム感
もうひとつ、ぜひ覚えておきたいのが、明朝体を代表する2つの書体です。左の「築地体」は、やわらかなフォルムで上品な印象を与えます。右の「秀英体」は、文字が流れるように素早く書かれているため、リズム感や躍動感を与えます。同じ明朝体にも、このような違いがあることを知っておきましょう。
文字の選び方
現在、欧文書体は世界に数万書体、和文書体は国内に二千書体以上あります。すべてを憶えることは難しいので、前ページのように、まずは書体の大きな分類と、それぞれが持つイメージを知っておくと、ロゴづくりの際にとても役立ちます。
次に、知っておきたいのが、先方からのオーダーに適した書体の選び方です。
ただし、ひとつお断りしておきます。例えば、クライアントが「先進感を求めているなら、この書体が適しています」という単純なことではありません。実際の現場では、いくつもの要望が複雑に混ざり合っています。例えば、「先進感や高級感のあるロゴをつくって欲しい。イメージは、重厚な感じよりも現代的で洒落た印象を希望している。それと競合他社との区別化も図って欲しい」等々。
このようにクライアントには、いろいろな想いがあります。それらの要望を受けて、各案件ごとに最も適した書体を選ぶ必要があるため、「先進感なら、この書体です」と単純に言い切ることは適切ではないのです。そのため、ここでは文字の選び方のヒントを紹介します。各案件にもっとも適した書体を選ぶ手助けになればと思います。
私の場合、これらのことを踏まえながら、ロゴにする単語をたくさんの書体で実際に組み、各書体から受けるイメージをそれぞれ検討して、ベースとなる文字をその都度選んでいます。
先進感
ゴシックもしくは明朝に平体をかけたり、斜体をかけると効果的です。また、定規とコンパスで描いたような幾何学的な書体も向いています。
高級感
明朝もしくは、銅版系の書体が向いています。文字間をゆったりとあけることも効果的です。ワインのラベルのような高級感であれば、スクリプト書体も良いでしょう。場合によっては、細めのゴシック等も候補として考えられます。
かわいい
丸ゴシックや、手書き風の書体を使うと効果的です。かわいいの中でも、大人っぽいかわいさなのか、子供っぽいかわいさなのかで、選ぶ書体や太さも変えましょう。
堅実さ
太めのゴシックをシンプルに使うと良いでしょう。ロゴにあまり手を加えすぎないことがポイントです。格調なども同時に求められる場合は、太めの明朝も良いでしょう。
エレガント
細めの明朝、もしくは明朝とゴシックが混ざったような書体(例えば、欧文でいえば「Optima」等、和文でいえば「フォーク」等)の細めのものが向いています。オーダーの内容によっては、スクリプト書体も良いでしょう。
ナチュラル
手書きの文字が向いています。実際に自分で文字を書くか、もしくは手書き風の書体を使うと効果的です。
現代的
現代的なものや、新しさを求めている場合は、オリジナルで文字をつくるか、デザイン性の強い個性的な文字をベースにすると良いでしょう。
※明朝やゴシックと表現したものは、欧文でいえば、それぞれセリフ書体、サンセリフ書体と考えてください。
ロゴデザインのアイデア1000
困ったときにおすすめの一冊
テーマ別のロゴデザイン例がたくさん詰め込まれています。さらに、パターンが豊富に紹介されているので、ロゴをデザインする際のイメージの幅が広がります。制作時、迷った時に開いてみると、そのパターンの多さに助けられるでしょう。いつでも開けるようにそばに置いておくと安心です。

はじめに
この本は、1000点以上のロゴとタイトルロゴがぎゅっと詰まった1冊です。クリエイティブ系、ビジネス系、コンサバティブ系といった大まかなジャンル分けの中にさらに細かいカテゴリ分けがあり、それぞれのコンセプトにぴったりなロゴやタイトルロゴを、私たちデザイナーが現場で培った経験を元にデザインしました。さらにうれしいのは、配色バリエーションが豊富だという点。同じデザインのロゴでも配色が違うとどのように印象が変わるか一目で確かめることができます。
ロゴやタイトルロゴは、その対象物のいわゆる“顔”で、そのコンセプトを的確に表現していなければなりません。しかも長い間使用されて人の目に触れるものなので、いくらかっこよくても、流行り廃りのありそうなデザインやすぐに飽きられてしまうデザインはあまよくありません。普通じゃないけど何度見ても飽きない、そんなデザインをいかにひねりだすかが一番苦労するところで、同時にそこがロゴデザインの一番おもしろいところでもあります。
そのようなことを考慮して、私がひとつアドバイスするとしたら、ゴテゴテと手を加えたくなる衝動を抑え、できるだけシンプルにすることを心がけるということです。Illustratorなどのフィルタを使えば簡単に飾り立てたロゴができますが、道具ではなく、自分のデザインセンスに頼るようにしましょう。凝ったロゴを作った場合は、あらゆる場面を想定してシンプルバージョンも作っておくこともひとつの手ですね。
人々の印象に残り、ずっと愛され続けるようなロゴを生み出すためには、まずたくさんのロゴを見て目を肥やすことから始めてください。その点、この本は最適です。1000点以上のロゴを収録していますから!この本によって読者のみなさんのデザインの引き出しが増え、カラフルでおしゃれなロゴが、街やネット上にどんどん増えていってくれればいいですね。
著者を代表して ハヤシアキコ
Contents
問い合わせ
はじめに
著者プロフィール
01クリエイティブ系(デザイン性・おしゃれ)
デザイン会社
デザイナーユニット・個人の屋号
アートギャラリー
カメラマンの個人ロゴ
個性派劇団の演劇タイトルロゴ
イベントフライヤーのタイトルロゴ
建築雑誌のタイトルロゴ
美術系学校パンフレットのタイトルロゴ
02ビジネス系(信頼感・堅め)
ITベンチャーロゴ
ソーシャルゲームアプリ系会社
歯医者さん
弁護士事務所
グローバルな翻訳会社
新設の中高一貫校
信頼感のある保険ショップ
社内広報誌のタイトルロゴ
会社紹介パンフレットのタイトルロゴ
03コンサバティブ系(伝統・和・高級)
エレガントなジュエリーショップ
シックな男性ファッション店
リッチ層向け旅行代理店
ヨーロピアンなインテリアショップ
おしゃれなパティスリーショップ
クラシックな楽器店
トラディショナルな京都の食器店
和の雑貨ショップ
富裕層向けパンフレットのタイトルロゴ
歴史イベントタイトルロゴ
エレガント系のマンガのタイトルロゴ
04ナチュラル系(女性・柔和・エコ)
ナチュラルな雑貨ショップ
ロマンティックな雑貨ショップ
フレッシュなジュース店
リラックスできるエステ店
セクシーなランジェリーショップ
はなやかなフラワーショップ
オーガニック系食品店
シニア向けの施設
清潔感のあるドラッグストア
ビューティ系の化粧品ロゴ
エコショップのリーフレットタイトルロゴ
05カジュアル系(親しみ・元気)
カジュアルなファッションショップ
フレンドリーなペットショップ
アクティブな健康靴ショップ
元気なキッズ専門店
ベビーの用品店
安売りディスカウントショップ
親しみやすい学習塾
スーパーのフリーペーパーのタイトルロゴ
学園ものの同人マンガタイトルロゴ
マンガ同人誌のタイトルロゴ
06パワフル系(男性的・力強さ)
パワフルな代理店
ワイルドなアウトドアショップ
サッカーサークルのロゴ
ラーメン店のロゴ
サッカーサークル会報誌タイトルロゴ
男性向き経済誌のタイトルロゴ
ロゴデザインの現場 事例で学ぶデザイン技法としてのブランディング
ロゴづくりは顔づくり
有名なデザイナーごとに事例がまとめられており、アイデア出しやブラッシュアップの過程が丁寧に書かれています。ロゴのデザイン表現の話だけではなく、クライアントとのやりとりやブランドを作り上げていく過程まで綿密に述べられているので、デザイナーだけではなく、依頼する側やさまざまなビジネスの現場にとっても参考になります。ロゴ製作のプロセスの全てを網羅できる一冊です。
はじめに
「ロゴデザインのプロセスについて、本を書いて欲しい」とご依頼いただいたとき、大阪で活動している私のほかに、東京のデザイナー、その他地域のデザイナーの3人で書くことで、各地域ごとの特色が出るのではないかというお話でした。このとき私の頭の中には、東京の「ONO BRAND DESIGN」 小野圭介さんと、岡山 の「QUA DESIGN style」田中雄一郎さんのことが真っ先に思い浮かんでいました。
小野さんは、大手ブランドコンサルタント会社ランドーアソシエイツで多くの経験と実績を積まれたのちに独立した方、田中さんは、都市計画の分野からグラフィックデザイナーに転身されたという異色の経歴をおもちの方です。そして私は、大阪で広告代理店勤務を経て独立し、ロゴデザインに特化したデザイン事務 所「COSYDESIGN Inc.」を経営しています。
そんな3人が自身の経験とノウハウを余すところなくお伝えするのは、社会に おけるデザインの本当の価値とデザイナーの仕事の実際を、デザインを学ぶ学生さんやプロのデザイナーだけでなく、企業の経営者や広報担当者、自治体や団体 の担当者、個人店舗のオーナーなど、デザインを発注する側の人たちにも、広く知っていただきたいと考えたからです。私たちのような小さな事務所を経営している3人が執筆することで、デザイナーとクライアントの双方に、より身近なこととして感じていただけるのではないかと思いました。
お互いが自分ごととしてとらえ、大きな愛情と情熱、そしてほんの少しのロジカルな思考をプラスすることで、社会の中で機能し、心に響く魅力的なデザインが生まれるのだと思います。心の通ったエキサイティングでわくわくするような 「ロゴデザインの現場」を感じていただければ幸いです。
2016年5月
著者を代表して佐藤浩二
Contents
はじめに
本書について
INTRODUCTION ロゴデザインの基礎知識
CI、企業ロゴの考え方の変遷
ブランディングの視点をもつ
ロゴデザインの基礎知識
ロゴを構成する要素
ロゴの重要性
ロゴの汎用性を考える
シンボル+ロゴタイプ型の特徴と実例
ロゴタイプ型の特徴と実例
色が与える印象
書体が与える印象
プレゼンテーションについて
ロゴデザインの評価基準
VIとは
Column/田中雄一郎
よりよいロゴマークデザインは、ビジネスマナーの一つデザインは素敵な人と出会うための大切なツールロゴマークの力でマイナスをプラスに変える
CASE STUDY ロゴデザインの現場
小野 圭介の場合
ロゴデザインを通して多くの人を楽しませたい。
CASE 01 ソーシャル1
地域の魅力に光をあて、広く発信する
キタミン・ラボ舎
CASE 02 ソーシャル2
まちを耕し、ひとを育む
石巻・川の上プロジェクト
CASE 03 商品ブランド
キャラクターを軸にブランドを構築する
UNA TEA
CASE 04 サービスブランド
サービス内容の変化を読み解く
PANOPLAZA
CASE 05 企業1
既存のブランドを進化させる
KNIME
CASE 06 企業2
日本を代表するソーシャルゲーム企業を目指す
株式会社enish
佐藤浩二の場合
企業やブランドの目指す方向性から本質をとらえ、デザインの完成度にこだわり抜いて提案すること。
CASE 01 企業1
老舗メーカーのブランドイメージ刷新
山本窯業化工株式会社
CASE 02 企業2
ペット業界のリーディングカンパニーを目指して
株式会社モリシタ
CASE 03 企業3
普遍性と独創性を両立させることに挑戦
ヤマト自動車株式会社
CASE 04 店舗ブランド
トータルビューティサロンのブランディング
美容室mahae
CASE 05 商品ブランド
新たな市場を開拓するブランドのロゴデザインとブランディング
EQULIBERTA(エクリベルタ)
CASE 06 教育機関
女子教育の伝統と革新をテーマとしたコミュニケーションシンボル
樟蔭学園100周年ロゴ
田中雄一郎の場合
ロゴマークは「自信」と「誇り」を与えるもの。
CASE 01 行政
グラフィックデザインで街づくり
岡山芸術回廊ロゴ
CASE 02 教育機関
岡山から世界へ。
コミュニケーションマークのリニューアル
国立大学法人 岡山大学
CASE 03 医療機関1
ビジュアルデザイン
はホスピタリティを計るバロメーター
医療法人和葉会まび記念病院
CASE 04 医療機関2
クライアントの要望の本質をつかむ
あさひクリニックビジュアルアイデンティティ
CASE 05 音楽教室
ロゴ、空間、Web。
デザインの三位一体で、よりブランド化へ
おおもとピアノサロン
CASE 06 公益財団法人
トータルデザインでブランドイメージ向上
公益財団法人 福武教育文化振興財団
本書について
本書は、ロゴデザインの制作現場に密着したメイキング型の解説書です。クライアントから依頼を受けた理由から、ヒアリング、ラフスケッチを 経て、Illustratorなどでの実制作、プレゼンテーション、精緻化、納品、ガイドラインの製作まで、詳しく解説しています。
ロゴの制作過程を詳細に追っていくことで、それぞれのデザイナー、それぞれの案件によって生み出される多様な状況を追体験し、デザインの 現場をより実践的に学ぶことを目的としています。
各記事は、執筆者が実際に制作過程を記録しながらまとめたもの、以前 の仕事の記録を元に本書用に書き起こしたものなどがありますが、いずこれもごく最近のリアルな仕事を題材として扱っています。
ただし、解説をわかりやすくするために一部、実際の過程と違う流れを掲載している部分もあります。あらかじめご了承ください。本書に掲載されている情報は2016年5月現在のものです。予告なく変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
凡例
AD:アートディレクション
C:コピーライティング
CD:クリエイティブディレクション
CL:クライアント
D:デザイン
ECD: エグゼクティブクリエイティブディレクション
ED:編集 PD:プロデュース
PL:プランニング
PH:撮影
参考文献
『現代デザイン事典 2015年版』勝井三雄、田中一光、向井周太郎 監修/伊東順二、柏木 博 編集委員/平凡社
『コーポレートアイデンティティ戦略一デザインが企業経営を変える』中西元男 著/誠文堂新光社
『プロのデザインルール2 CI&ロゴマーク編』ピエブックス
『タイポグラフィ・ハンドブック』 小泉均編著/研究社
『ロゴロジック一実例から学ぶロゴデザイン』高田雄吉著/パイインターナショナル
『欧文書体その背景と使い方』小林章著/美術出版社
「一般財団法人ブランドマネージャー認定協会テキスト」
INTRODUCTION ロゴデザインの基礎知識
執筆:佐藤浩二
CI、企業ロゴの考え方の変遷
CI(コーポレートアイデン ティティ)とは、企業理念づくりにはじまり、シンボルやロゴデザイン開発、それらのアプリケーション展開、広告戦略など事業施策のすべてに一貫した企業イメージやメッセージを意図的につくり出す戦略を意味します。1956年にIBMが導入して成功をおさめたことによって、70年代から80年代ごろにブームとなり、日本国内でも各社がこぞって社名変更してCIを導入しました。
当初は奇抜なデザインで他社と差別化しようとする動きが主流でしたが、そういった企業があふれかえり、単に目立つだけでは消費者の心をつかむことが難しくなっていきました。その後、地球環境への配慮をアピールするなど、消費者の情緒に働きかけるような、優しいメッセージを伝えようとする傾向が強くなり、アルファベットの小文字を主体とした温かみと優しさを感じるロゴデザインが増えていきました。
そして現在は、企業そのものをブランディングしようという考え方が主流になりつつあります。ロゴの入った製品や広告など、見た目のイメージを伝えていた時代から、その製品を使う体験から生まれる感動や、形のないサービスを通じて得られる感動を、目指すべきイメージに沿って継続的に発信していく時代へと変わってきているといえます。
先に挙げたCIブームのころ、企業理念やビジョンをしっかりと打ち立て、それに基づいてデザインを展開した企業は成功して生き残りましたが、単に他社との差別化ができればいい、目立てばいい、新しければいいという浅い考えで見た目だけを変えた企業は多くの資金を投じた割に効果は上がらず、失敗に終わったといいます。
以前は、デザイナーと企業の間に代理店が介在するのが一般的でしたが、最近ではインター ネットの普及にともない、ロゴデザインを依頼 したい企業が好みのデザイン会社を探して、直接やりとりするケースも増えています。また、 格安でロゴデザインを提案してくれるWeb上のサービスや、デザインコンペを開いて多くの デザイナーから提案を受けられるサイトまで出 現し、たいへん便利な世の中になりました。安さや提案数の多さ、スピードを売りにしているサービスは、オリジナルのロゴを必要としている人には魅力的に映るかもしれません。
しかし、企業の理念やビジョン、ブランディングという視点をもって深く考察した提案と、それを形にするデザインスキルがなければブランド イメージが育つ良いロゴデザインは望めません。
ブランディングの視点をもつ
ロゴ導入のハードルが下がり、個人でも簡単にオリジナルのロゴを手にできる時代にあっ て、見た目だけで差別化することは、もはや難しくなっています。
これからのロゴデザインは単に見た目の印象 だけでなく、ロゴから感じるメッセージ性のようなものが、体験とリンクして響いてこないといけないのではないかと感じています。これは「ブランディング」の視点をもつ、ということを意味しています。
「ある特定の商品やサービスが顧客から識別 されているとき、その商品やサービスはブランドである」といえます(「一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会」テキストより)。そして、顧 客にとってただ知っているだけの状態から、より良いプラスの印象(企業にとって望ましい印象)を継続的かつ意図的にコントロールし、顧客の心 のなかに蓄積させていくのがブランディングで す。企業は顧客にどう思われたいのかを明確に意識し、それに沿ったアピールを行うことが大切になってきます。
ブランディングはロゴだけではうまくいきません。ネーミング、ロゴ、パッケージ、色、ジングル音楽などの「ブランドを構成する要素」と、Webサイト、会社案内、広告、店舗、イベントなどブランドの世界観に触れる「タッチポイント」を組み合わせて、顧客に刺激を与えていかなくてはなりません。
そうした意味からも、デザインしたロゴが、今後どのような場面でどのような使われ方をするのか、また顧客からの視点で見たとき、どのようなシーンでどのように感じるかなどを想像する力も、良いロゴをデザインするために必要不可欠なスキルだといえるでしょう。
ロゴデザインの基礎知識
・ロゴを構成する要素
ロゴには大きく分けて「シンボル+ロゴタイ プ型」と「ロゴタイプ型」があります。シンボルまたはマークと呼ばれる部分は、企業の理念や業種を表す象徴としてデザインされたものを指し、ロゴタイプは社名やブランド名の文字を主体としてデザインされた読めるマークのことを指します。また、「株式会社○○」など企業の正式名称をデザインしたものを、「正式名称ロゴタイプ」といいます。
・ロゴの重要性
人は名前や顔、体型やヘアスタイル、ファッションなどで他の人とはあきらかに違う個性(アイデンティティ)をもっています。これを企業に置き換えると、企業名やキャッチコピーが名前にあたり、ロゴやコーポレートカラーが顔や体型などにあたるでしょう。見た目によって、企業の性格(アイデンティティ)を発信しているといえます。ロゴは、受け手にとって最初に触れる企業(ブランド)のまさに顔である、ということができるでしょう。
・ロゴの汎用性を考える
ロゴは、使用されるあらゆる場面において、その企業やブランドが発信する内容を、つねに等しく伝えられなくてはなりません。そうした汎用性を保つために、シンボルとロゴタイプの配置が上下に並んでいるのか横並びなのか、小さく使用する際の可読性や判読性は確保できているかなど、さまざまなケースを想定して制作します。また、モノクロで使用さる場合、色を反転した場合の見え方、網点が使用できない場合のベタ色の設定など、正規の表現が制限されるケースも考慮して、準備しておきます。
シンボル+ロゴタイプ型の特徴と実例
企業やブランドを象徴する絵や図形をモチーフとしたシンボル(マーク)とロゴタイプを組み合わせたスタイルです。シンボルには、具象的なモチーフを使ったデザイン、目に見えない理念や思想を表す抽象的なモチーフ、社名を想起しやすいイニシャルをモチーフとしたデザインなどがあります。
また、シンボルはロゴタイプと切り離してアイコンとしても使用でき、活 用展開のバリエーションが広がる特徴があります。
シンボル+ロゴタイプ型の特徴
・長距離からの識別性が高い
・業種や商品がイメージしやすい
・記憶に残りやすい
・理念やコンセプトを表現しやすい
ロゴタイプ型の特徴と実例
ロゴタイプ型とは、文字を主体とした読めるマークのことを指します。社名やブランド名を覚えてもらいやすく、シンプルな構成なのでインパクトが あります。海外展開をする場合などでは、社名をしっかりとアピールできる メリットがあり、グローバル展開する大手企業が採用するケースが多くみられます。
文字を並べたとき、大文字なのか小文字なのか、平仮名か片仮名か漢字な のかによって、受ける印象は大きく異なります。それぞれの文字の並びを検証し、そのなかからデザインのポイントとなるアイデアを導き出せるように 意識するとよいでしょう。
ロゴタイプ型の特徴
・社名やブランド名をアピールできる
・特定の事業、分野に縛られない
・汎用性、再現性が高い
・流行に左右されにくく耐久性がある
色が与える印象
人は、情報の8割を視覚から得ているといわれています。なかでも色はイメージを左右する重要な要素のひとつです。
一般的に、青系は「クール」「知的」「先進性」などの印象を与えることから、精密機器メーカーやIT関連、教育機関などでよく見られます。赤系は「情熱」「エネルギッシュ」「温かさ」などを感じさせるほか、食欲をそそる色でもあり、食品会社などでもよく見ることができます。また、グローバル展開する日本企業が「日本」であることを印象付けるために赤を使うケースもあります。緑系は自然や環境、エコロジーなどをイメージさせます。黄色は明るく快活な印象を与え、黒はモダンな印象を与えます。
書体が与える印象
ロゴタイプの書体は、そのロゴを印象づける重要な要素になり
ます。欧文書体では、画の端に爪状のセリフのついた「ローマン 体(セリフ体)」と、セリフのない「サンセリフ体」に大別できます。一般的に、ローマン体は伝統的で品位があり、サンセリフ体は現代的で先進 的なイメージを感じさせます。和文書体におきかえると、ローマン体に相当するのが「明朝体」、 サンセリフ体に相当するのが「ゴシック体」だといえます。
また、書体を構成する線の太さによっても印象が異なります。細い書体は繊細さ、スタイリッシュさ、知的な印象があるのに対し、太い書体 は力強さ、安定感、重厚といった印象があります。そのほかにも、斜体をかけると物理的なスピード感を連想させたり、縦長の書体を使って文字間を広く組んでみると都会的なイメージを演出できたりします。このように、書体や太さによる印象の違いを理解しておくと、目指す方向性に沿った文字デザインがしやすくなり、プレゼンテーションでの説明においても説得力が増します。
プレゼンテーションについて
ロゴデザインのプレゼンテーションでは、何案くらい提案するのがよいのでしょうか。
予算が潤沢にある大手企業のロゴデザインなら、初回プレゼンテーションの段階では、大まかなデザインの方向性がつかめる程度のラフ案を、あまりつくり込まない状態で、数十案提案することがあります。このやり方は、目指すべ き方向性がある程度見えていたとしても、それ以外の方向性も可能性がゼロではないので、できるだけ多くの可能性を検証しておきたい、というクライアントに向いています。そこから少しずつ案を絞り込んでいき、最後の数案くらいになったところで、より完成形に近い状態にブ ラッシュアップしていきます。このやり方は採用の可能性が低いとわかっている案も多くつくることになるので、無駄が多いように感じますが、クライアント側も選考に参加しているという意識が高くなりますし、時間はかかりますが、納得感を得られる進め方だといえます。
一方、予算に制約がある場合や、スケジュールがタイトな場合などでは、できるだけ少ない案数で、短期間に完成させたいものです。この場合は、ヒアリングをとくに慎重に行い、目指すべき方向性をしっかりと共有しておくことがより大切になります。
あきらかに「ない」という方向性に対しては潔く切り捨て、可能性のある方向性に集中します。初回に提案するのは2~3案程度と少なめですが、その代わりに、そのまま納品できるくらいの完成度にまでつくり込んで提案します。そうすることで、クライアントも完成形や、展開したときのイメージがつきやすくなりますし、デザインのクオリティに対して、意見を挟む隙を与えないので、初回プレゼンで採用案が決まりやすくなります。
どちらの提案方法でもいえることですが、自分のデザインをしっかりと言語化して説明できるということが大切です。単に格好いいからとか、オシャレに見えるからではなく、なぜこの形なのか、なぜこの書体で、なぜこの色なのか、きちんとクライアントが理解できるように伝えます。また、ヒアリングを通して見えてきた「クライアントとって大切な部分」について、相手の気持ちが高揚するような表現と言葉で説明できるように工夫すると、より良いプレゼンテーションになるでしょう。
ロゴデザインの評価基準
ロゴをデザインする際には、感覚、機能の両面から チェックしなければならな
い項目があります。これらを多く満たすことが、「良いロゴデザインの条件」 といえるかもしれません。
感覚的な評価基準は、ロゴを見た側がどう感じるかという視点からチェックします。オリジナリティがあり、信頼できる雰囲気が感じられ、期待感を煽る一歩先を行く新しさがあり、かつ美しい形状であるのが理想です。グローバル展 開も見据えるなら、これに国際性も含まれてきます。
機能的な評価基準としては、ロゴが使いやすいかどうかという視点でチェックします。どのような環境下においてもロゴが識別できる視認 性や、文字を正しく読める可読性は基本的なポイントです。また、名刺などの小さなものから、ビルボードのような大きなものまで、さまざまな媒体において使いやすく、何十年と使用しても耐えられる普遍性があり、人々の記憶に残りやすいインパクトをもっていれば理想的です。
しかし、これらの項目すべてを満たさなければならないということではありません。その業 種や業態、ロゴが使用される目的などを考察すると、そのロゴにとって重要なポイントが見えてくるので、それぞれの条件に最適なチェックポイントをクリアできるように心がけましょう。
VIとは
CI(コーポレートアイデンティティ)は、企業理念の策定、新事業領域の構築など、経営戦略のことを指しますが、VI(ビジュアルアイデンティティ)はCIで構築した理念や方針な どを内包しながら、視覚的なデザイン統合を行うことを指します。そのVIのもっとも重要となる要素がロゴであり、企業を象徴するアイテムとして、ロゴを中心に、名刺、封筒、サイン、商品、サービスなどのデザインをコントロールし、システム的に機能させます。
VIは、ロゴの展開バリエーションやカラーなどを統一する「ベーシックデザインシステム」と、封筒や名刺などのステーショナリーやサインなどの要素を統一する「アプリケーションデザインシステム」とで構成されます。ロゴデザインの際には、これらの使い方を規定したガイドラインを作成するのもデザイナーの仕事です。
実例つきロゴのデザイン
イメージを掴みやすくする
タイトルの通り、事例つきでロゴデザインが収録されており、デザインされたロゴが実際にパッケージや看板等に使われている様子を確認することができ、イメージが掴みやすい一冊になっています。ロゴの事例が約750点掲載されていて、1ページ1ページの情報量がちょうど良く、パラパラと眺めているだけでも楽しいです。ロゴをデザインされる方、純粋にロゴデザインが好きな方、ロゴに興味のある全ての方におすすめします。
目次
はじめに
エディトリアルノート
インタビュー1
フード
リビング
インタビュー2
サービス
その他
インデックス
クライアント
作品提供者
はじめに
企業やブランドが取り組んできたCI、ロゴマーク開発は、近年のブランディングブームにより、商品や地域のコミュニティ、イベントなど様々な場面で使われるようになりました。ブランディングにおいてのロゴの役割は、目に見えない価値やイメージを具現化し、消費者とのコミュニケーションツールのひとつとして、広くブランドを浸透させていくことです。
本書では、デザイン性が優れたロゴと、そのロゴを生かして店舗やツール・商品などへ効果的に展開している事例を、実際の展開写真と共に4つのカテゴリーに分けて掲載しています。フードの章では、小さな村や農家の商品開発から人気のサードウェーブコーヒー店、粋な日本語ロゴを使った和食店など、バリエーション豊かなロゴを見ることができます。
リビングの章では、職人の魅力を伝える老舗店やセレクト書店など、暮らしにまつわる新しい流れが感じられます。サービスの章では、近年一気に開発がすすんでいるインバウンド向けのホテルや、インテリアも魅力的な美容院など、お洒落な場所のロゴを紹介します。その他の章では、イベントのシンボルとして使われるロゴや、神社や行政など、個性豊かなロゴを紹介しています。
商品が溢れ、情報過多の日本では、新しい価値の発掘と差別化されたブランディングがあらゆるジャンルで求められています。本書を手にとっていただいた皆様の、開発の一助になれば幸いです。
最後になりましたが、本書制作にあたり、作品提供にご協力を賜りました出品者の皆様、掲載許諾をいただきましたクライアントの方々に、この場を借りて心より御礼申し上げます。
パイインターナショナル編集部
わくわくロゴワーク – いっしょに増やそう! ロゴづくりのひきだし
登場するデザイナーは1人だけ
ロゴ本といえば、沢山のデザイナーによるロゴ集といった構成が多い中、こちらの本は「1人のデザイナー」のロゴ作りを徹底して掘り下げているところがとても面白い本です。
カフェ、ライトノベル、家の表札、音楽グループ、ハッカー集団のロゴなど、テーマごとにかなり幅の広いロゴの事例が紹介されています。ロゴをデザインする際、考え方のきっかけとなる、いつでもそばに置いておきたい一冊です。

はじめに
こんにちは! 本書を手に取っていただきありがとうございます。これはロゴに関する本ですが、理論を指導したり、名作ロゴを集めたりした本ではありません。「幅広いお題に対して、いかにテーマに沿ったバリエーションを作れるか」にガムシャラにチャレンジする内容となっております。
これらのチャレンジを通じて、若いデザイナーやデザインを勉強する学生をはじめ、もっとロゴづくりのひきだしを増やしたいと思っている方に、新たな刺激を与えられるような本を目指しました。自分ならどういうロゴを作ろうかと考えたり、実際に手を動かしていただけたら、より一層嬉しいです。
一緒にロゴの可能性を楽しみましょう!
WORKS
01 備品に貼る持ち出し禁止のロゴ
持ち出し禁止
02 スーパーの値引きシールのロゴ
表示価格より30円引き
03 万引き防止のロゴ
万引きは犯罪です。
04 家の表札のロゴ
石井
05 墓のロゴ
岡口家の墓
06 地域のジャズイベントのロゴ
SHINAGAWA JAZZ SPRING
07 スイーツ同好会のロゴ
スイーツハンタークラブ
08 デモのプラカードのロゴ
強行採決やめろ
09 ハッカー集団のロゴ
PSYCHO SQUAD
10 社長室のロゴ
社長室
11 ウェブラジオのロゴ
ものしりラジオ
12 日常系同人誌のロゴ
ユルユル日常
13 同人漫画サークルのロゴ
ぽちぽち工房
14 ライトノベルのロゴ
魔王が転生して俺の妹になった件
15 心霊漫画のロゴ
新宿ゴーストシティ
16 グルメ漫画のロゴ
ぐるめ日和
17 SFロボットアニメのロゴ
白銀のイノセントギア
18 美少女戦士アニメのロゴ
戦星乙女メテオブリンセス
19 カードゲームのロゴ
TCGイマジンマスター
20 ホラーゲームのロゴ
祟りの里
21 乙女ゲームのロゴ
生徒会ラビリンス
22 レースゲームのロゴ
STORM RACING
23 パズルゲームのロゴ
ブロックスマッシュ
24 3DCGアニメ映画のロゴ
フォレストアニマルズ
25 魔法ファンタジー映画のロゴ
ウィザード オブレジェンド
26 ゾンビ映画のロゴ
ゾンビアンダーグラウンド
27 カンフー映画のロゴ
破戒タイガー
28 劇団のロゴ
劇団アテンプト
29 古本屋のロゴ
なりわいブックス
30 ジュース屋のロゴ
ジュースショップみなみ
31 ユニークな音楽グループのロゴ
魔剤ンゴ!?優勝クラブ
32 DJ・ミュージシャンのロゴ
SHIT BEAT
33 ライブイベントのロゴ
POP SHOWER
34 ライブハウスのロゴ
SHIBUYA PUBLIC
35 レコードショップのロゴ
OTONARI RECORD
36 銭湯の暖簾のロゴ
ゆ
37 駐車場のロゴ
P
38 喫茶店のロゴ
喫茶フサオ
39 コンビニのキャンペーンのロゴ
アゲモノサマーキャンペーン
40 エナジードリンクのロゴ
FIRE ENERGY
41 牛乳のロゴ
牧場のコクがある牛乳
42 チョコレートのロゴ
Respected Cacao
43 お米の銘柄のロゴ
つるさらら
44 グミのロゴ
パワフルグミ
45 やさしいシャンプーのロゴ
ベビシア
46 食器ブランドのロゴ
YOSOU
47 アウトドア用品ブランドのロゴ
explorer
48 ファッションブランドのロゴ
hito to fuku
49 殺虫剤のロゴ
虫バズーカ
50 アイウェアブランドのロゴ
MGN
51 傘・雨具ブランドのロゴ
amama
52 シンセサイザーのシリーズのロゴ
RAY
53 高音質ヘッドホンのロゴ
FAT VIBES
54 大人の男の趣味雑誌のロゴ
STRONG
55 女性向けカルチャー雑誌のロゴ
Hash!
56 幼稚園児向け絵本のロゴ
まほうつかいハミミ
57 小説のウェブマガジンのロゴ
ノベルネット
58 パペットが出る教育番組のロゴ
パペパペぐるぐる
59 漫画雑誌のロゴ
月刊スペクトラ
60 クイズ番組のロゴ
ポテンシャルQ
61 スポーツニュース番組のロゴ
スポダッシュ!
62 深夜の音楽番組のロゴ
魂サウンドTV
63 ラブコメドラマのロゴ
この恋は認めたくない!
64 朝のニュース番組のロゴ
おはチェケ!
65 朝ドラのロゴ
晴れ舞台
66 時代劇のロゴ
修羅の豪三郎
67 夏フェスのロゴ
NASU MUSIC CAMP
68 浮世絵展のロゴ
江戸の浮世絵展
69 ポップアート展のロゴ
ポップがいいね!展
70 エジプト展のロゴ
エジプトの至宝展
71 ルネサンス絵画展のロゴ
巨匠たちのルネサンス
72 出版社のロゴ
きたむら出版
73 郊外のショッピングモールのロゴ
PLAISIR
74 求人会社のロゴ
JOB BEYOND
75 アニメ制作会社のロゴ
CREATION ANIMA
76 遊園地のロゴ
ドラマチックランド
77 プロサッカーチームのロゴ
アルチザン大田
78 宇宙技術研究所のロゴ
JP SPACE LABO
79 美術館のロゴ
すみだミュージアム
80 東京都のロゴ
東京都
ロゴのつくりかたアイデア帖 “いい感じ”に仕上げる65の引き出し
表現の幅を増やす
ロゴづくりのヒントとなるアイデアが存分に詰め込まれています。アイデアの引き出しを増やしたい方におすすめの一冊です。また、シンプルにまとめられていて読みやすく、即実践できるアイデアばかりですので、これからロゴデザインを始めるという初心者の方にもおすすめです。

はじめに
本書は、「あ、ロゴつくりたい!」と思ったときに、すばやく方向性や方針を定められるように、「ロゴデザインに役立つ知識」と「よく使われるテクニック」を紹介したアイデア帖です。
デザイナーさんであっても、「ロゴづくりはちょっと苦手……」「とっかかりがわからない……」といった声をよく聞きます。ノンデザイナーの方でも、起業をした、お店を開いた、コミュニティを立ち上げたといったときに、できれば自分でロゴをつくってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
ロゴをつくるときにはまず、「込めたい想いや意味」「感じてもらいたい印象・イメージ」をはっきりさせてから、デザインをつくっていくというプロセスが重要だと考えます。この本では、デザイン初心者でも、ロゴデザインでしっかり想いやイメージを表現するためのアイデアを65の引き出しとして紹介しています。
悩んだときにパラパラとめくってみて「あ、この手法でロゴつくろう!」、そう思えるような本になればうれしいです。一緒にロゴづくりを楽しみましょう。
遠島啓介
目次
はじめに
目次
本書の使い方
本書の構成
1ロゴづくりの基礎知識
(00)ロゴの種類
(01)ロゴの構成要素
(02)ロゴのスタイル
(03)かたち・文字・色
(04)かたちが持つイメージ
(05)文字・書体の種類とイメージ
(06)色が与えるイメージ
(07)ロゴづくりに役立つ知識・法則
(08)ロゴづくりの流れ
COLUMN ロゴの事例をたくさん見る
2シンボルマークづくりのアイデア
(09)シンボルマークをつくる
(10)図形を組み合わせる①四角形の組み合わせで誠実・発展を表すロゴ
(11)図形を組み合わせる②企業イメージと企業名を同時に表現するロゴ
(12)図形を組み合わせる③シンプルな図形だけで桜を表現したロゴ
(13)図形を組み合わせる④シンプルでポップな雲のアイコンマーク
(14)図形を重ねる星をモチーフにしたカラフルなロゴ
(15)図形を立体にする空間を意識した多様な見え方のロゴ
(16)イラストを組み合わせる本とハートを融合したコミュニティのロゴ
(17)図で切り抜く野菜がたくさん詰まった様子を表したロゴ
(18)図を重ねカットするサービスの特長をわかりやすく示した認証マーク
(19)図形の中に文字を入れる頭文字をシンボルにした力強い印象のロゴ
(20)文字と図を組み合わせる①翼とイニシャルをモチーフにした王道感のあるロゴ
(21)文字と図を組み合わせる②蔦をあしらったエレガントな印象のサロンロゴ
(22)図の一部を文字にする頭文字を組み込んだひと目で伝わる歯科医院のロゴ
(23)文字で図をつくるシンプルで心に残る商品ロゴ
(24)字の一部を省略するプロフェッショナルな印象の士業のロゴ
(25)文字を重ねて一体化するイニシャルをシンボル化したマーク
(26)文字を立体的に見せる文字が浮き出たインパクトのあるロゴ
(27)文字を反転する街の地図をイメージしたロゴ
(28)文字を記号化する①線でケーキの層:表現したシンボルマーク
(29)文字を記号化する②文字を単純化した町のシンボルマーク
(30)称性を取り入れる2つの矢印を組み合わせたスタイリッシュロゴ
(31)三角形に配置する安定感を表す幾何学的なロゴ
(32)回転しながら配置する家紋のような雰囲気のあるシンボル
(33)比率を意識する①楽しいイメージを抽象的に表現するロゴ
(34)比率を意識する②秩序を感じるバラのイラストロゴ
(35)不定形にする変化と融合をイメージさせるベンチャー企業のロゴ
(36)鎖状につなげるらせん構造で永続性を表したロゴ
(37)遠近感をつける三角形をモチーフにした未来的な印象のロゴ
(38)リボン状にする表裏と成長をリボンで表現したロゴ
COLUMN シンボルマークづくりのコツ
3ロゴタイプづくりのアイデア
(39)文字主体のロゴをつくる
(40)書体を組み合わせる幅広く紹介するファッションメディアのロゴ
(41)文字を動かす①楽しげな雰囲気の居酒屋ロゴ
(42)字を動かす②高級感のあるポップコーンショップのロゴ
(43)文字のサイズを変えるニュース解説メディアのタイトルロゴ
(44)図と組み合わせる①ネーミングをかたちに落とし込んだ企業ロゴ
(45)図と組み合わせる②数字で向き合う顔を表現した周年記念のロゴ
(46)文字を図に置き換えるイメージをアイコンで表現したTV番組のロゴ
(47)字の一部を置き換える①オーガニックがこだわりのコーヒー店のロゴ
(48)字の一部を置き換える②図形を取り入れたあたたかい雰囲気のロゴ
(49)文字をカットする成長をイメージさせるコンサル企業のロゴ
(50)文字を分断する手作りらしさを表現した上質感のあるロゴ
(51)カラフルにする多様性を表現したカラフルなイベントロゴ
(52)文字のバランスを変えるあたたかく懐かしい印象のタイトルロゴ
(53)字の一部を伸ばすシンプルでいきおいのあるゲーム会社のロゴ
(54)文字をつなげる①クールなイメージのIT系企業ロゴ
(55)文字をつなげる②エレガントな雰囲気の女性向けタイトルロゴ
(56)線を加えるかわいらしさのあるフリーペーパーのロゴ
(57)質感を加える①骨太な印象のロックフェスのロゴ
(58)質感を加える②手書き風イメージのアプリロゴ
(59)角を丸くするやわらかい質感を表現する商品ロゴ
(60)線で文字をつくる直線的でシャープな印象のイベントロゴ
COLUMN フォントのライセンスを確認する
4使いやすいロゴにしよう
(61)利用シーンを考える
(62)視認性・可読性を考慮する
(63)バリエーションを用意する
(64)カラー設定
(65)ガイドラインを用意する
あとがき
参考文献
著者プロフィール
本書の使い方
本書では、デザイナーはもちろん、デザインを経験したことがない人でも使いやすいように、基本から実践まで丁寧に解説しています。実践を学ぶパート(2章、3章)では、架空のオーダーを受けて実際にロゴをつくっていく様子をアイデア出しから完成までステップごとに紹介しています。
本書の構成
1章 ロゴづくりの基礎知識
ロゴの構成要素や、かたちや色が与えるイメージなど、ロゴをつくるときに必要なデザインの基礎知識を解説しています。
2章 シンボルマークづくりのアイデア
シンボルマークをつくるときに使えるアイデアの引き出しを多く取りそろえて紹介しています。オーダーを受けて、アイデアを出してかたちにするという具体的なステップを見せて、実際にシンボルマークをつくるときの参考になるように構成しています。
3章 ロゴタイプづくりのアイデア
ロゴタイプをつくるときに使えるアイデアの引き出しを紹介しています。フォントの決め方、アレンジのしかたなど、狙いどおりに文字を表現する手法を多くの見本とともに紹介しています。実際にロゴタイプをつくるときの参考になるようにステップごとに構成しているのも特徴です。
4章 使いやすいロゴにしよう
3章までで作成したロゴを実際に使うときに知っておくべきポイントを紹介しています。意図したとおりにロゴを使ってもらうための工夫点や注意点をガイドラインとしてまとめていきます。
ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える、君へのアドバイス-ロゴデザイン・ラブ! [改訂第2版]
世界のロゴが見れる
海外の有名企業のロゴだけでなく、デザイン的に優れたロゴがたくさんのっています。
クライアントとのやりとりや、意識するべきキーワード、デザイナーに求められているもの、ロゴ製作の際のヒントとなるものがたくさん散りばめられています。ロゴデザイナーとして成長するための情報が詰まった1冊です。

著者紹介
デイビッド・エイリーは、北アイルランド出身のグラフィック・デザイナーで、独立したのは2005年である。アメリカおよびイギ リスでキャリアを積み重ねながらスキルを磨いた彼が、意を決してブランド・アイデンティティ専門のデザイナーとなる道を選んだのは、これこそが心から楽しいと思える仕事だったからだ。
デイビッドはデザインをテーマに3つのブログを運営する。davidairey.com、logodesignlove.com、ientitydesigned.comだ。
これらの月間の訪問者数は60万人以上にのぼる。彼のクライアント名簿にはイエローページ(Yellow Pages)、アジア開発銀行(the Asian Development Bank)、ブリンクボックス(blinkbox)、ルップ社(Rupp)、BBCなどが名を連ねる。また、彼の著書『デザイナーとして起業した(い)君へ。成功するためのアドバイス (Work for Money, Design for Love)』(小竹由加里訳、ビー・エヌ・エヌ新社、2013年)も大好評だ。
CONTENTS
はじめに
Part 1 ブランド・アイデンティティの重要性
Chapter 1 僕らは包囲されている
Chapter 2 僕らが語るのはストーリーだ
この署名のない製品は本物ではありません
ロゴのない会社は顔のない人間と同じだ
ミリオン単位の視線を捉える
女王雅下の承認を獲得
シンボルマークは調境を越える
文字の一部を抜き出して発展させる
ブランド・アイデンティティの重要性の再考
Chapter3 優れたロゴに欠かせない基本要素
シンプルに抑える
テーマに沿う
伝統あるモチーフを取り入れる
目に留まるよう工夫する
強く印象付ける
極小サイズでの再現性を考える
ポイントを1つに絞る
傑作を生み出す7つの条件
法則は破るために作られる
Part 2 デザインのプロセス
Chapter 4 プロジェクトの基盤づくり
不安点を解消する
準備が肝心、まずデザイン仕様書を
基本情報を集める
詳細を確認する
意思決定者に関する簡単な情報を得る
落ち着いて回答できる時間と場所をクライアントに提供する
なおかつ目標から外れない
情報を検証する
デザイン仕様書をまとめる
カギは企業ミッションとプロジェクトの目標
現場リサーチの効力
細やかな対応が実を結ぶ
提示されたキーワードが出発点
Chapter 5 リデザインにひそむリスクを避ける
何を目的とするリブランディングか
絞りすぎは禁物
フォーカス・グループが教えてくれること
法人組織の顔から家族の顔に小さな修正が望ましいケース
本質的要素だけを統合する
敬意を忘れずに
Chapter 6 デザイン料の計算
まず対話、それから見積もり
Chapter 7 鉛筆からPDFまで
マインドマップづくり
スケッチブックは必需品
テンス教会の要望
保険会社の将来のためにインターナショナルなシンボルマーク
試行錯誤が必要とは限らない
デザイン案は絞り込もう
カラーの前にモノクロで
実用例が役立つ
ペンはマウスより強し
Chapter 8 話し合いの技術
意思決定者との話し合い
ルール1: 連絡担当者を味方につける
ルール2: 仲介者を通さない
ルール3: 主導権を握る
ルール4: コミッティーと足並みを揃える
約束は控えめに、結果は大きめに
小さなプライドに固執しない
Part 3 前進し続けるために
Chapter 9 モチベーションを維持する
つねに学び続ける
4年先を行く
変化を起こす
パソコンから離れる
自分自身のためのデザインを楽しむ
新しい何かを生み出す
駆け出しの頃を思い返す
飽きることのない願いを抱く
ただしオーバーワークには注意
つねに問いを繰り返す
はじめの1歩から着実に
共に納得できる着地点を見つける
締め切りを意識する
クリエイティブシンキング(水平思考)を実装する
コミュニケーション能力を向上させる
過剰な期待をしない
つねにデザインする
自分の心に正直でいる
一歩下がって状況を捉える
Chapter 10 Q&A
オリジナル性をめぐるトラブル
プロジェクトの効果の測定法
著作権
コミュニケーションの断絶
契約の取り付け
海外のクライアント
デザイン案の数は?友人や家族
デザイン案の修正回数
プロジェクトのスケジュール
競合会社のリサーチ
ワースト1位のプロジェクト
所有権は誰に?
仕事量の調整
Chapter 11 ロゴデザイン制作のヒント31
1. クライアントにインタビューを
2. 一目でわかるように
3. 予想外の出来事を予想する
4. 事業内容をそのまま表現しなくても構わない
5. シンボルマークが不要なこともある
6. 印象的なポイントを1つだけ
7. スケッチブックは宝もの
8. トレンドのことはファッション業界に任せる
9. お決まりの表現でもだいじょうぶ
10. まずモノクロでデザインする
11. テーマに沿う
12. 印刷費について相談する
13. ブランド・エクイティを守る
14. 文字とマークを調和させる
15. タグラインを添えられるように
16. 単色バージョンを用意する
17. コントラストを十分に
18. さまざまなサイズで試し刷りする
19. 白抜きバージョンを用意する
20. 上下を逆にしてチェックする
21. 印刷面のクオリティにも注意を払う
22. 商標登録をするのも一案
23. 失敗を恐れない
24. 応用しやすいように
25. ロゴは1つの構成要素
26. 双方向のプロセスであることを忘れずに
27. 差別化がカギー
28. 文化の違いを念頭に置く
29. シンプルなほうが見分けやすい
30. 実用例を見てもらう
31. 人々に笑顔を
Chapter 12 ロゴの先まで
おいしい夢
連鎖反応
ディテールこそが重要
幸福は金で買えないが、紅茶は買える
水面下に潜むもの
推薦書籍
索引
はじめに
ブランド・アイデンティティ・デザイン。それを必要とするのは誰だろう?世界中のすべての企業だ。そのサービスを提供するのは誰だろう?君(デザイナー)だ。
では、一流のクライアントを獲得するにはどうすれば良いだろうか?そして、絶え間なく進化するデザインの現場で、つねに必要とされるデザイナーになるには?もしも君が僕と同じ考えなら、グラフィック・デザイナーとしての君の第一の目標は、つねにスキルを磨き続け、君が魅力的だと思うクライアントを、君のほうから魅了していくことだろう。そのために何より大切なのは、学び続け、成長し続けることだ。
本書は、ブランド・アイデンティティ・デザインに関する僕なりの見解や知識を読者と分かち合うための本である。本書の内容が君のモチベーションにつながり、何かの刺激となれば嬉しい。また、これらの知識があれば、ライアントを獲得し、望ましい協力関係を築いていくうえで、適切な判断ができるはずだ。では、僕は何者か、そして、僕のアドバイスに耳を傾けてもらいたい理由は何か?
10年ほど前に僕は、自分の名前でブログを開設した。davidairey.comだ。その後、logodesigniove.comおよびidentitydesigned.comというブログを追加し、それらの中で数々のデザイン・プロジェクトの事例を紹介してきた。いずれも、読者が1歩ずつ段階を追って、個々のアイデンティティ プロジェクトの制作過程を追体験できるような構成だ。
取り上げる事例は、僕自身のプロジェクトだけでなく、世界各地の才能あるデザイナーやデザイン・スタジオのプロジェクトも含まれる。クライアントとの契約成立までの流れ、デザイン仕様書の詳細を実際に形にしていく方法、最終案をクライアントが正式に承認するまでの経緯などについては、特に詳しく解説を加えている。
僕のGoogleアナリティクスの結果を信じるなら、前述した3つのWebサイトは現在、驚くほどたくさんのデザイナーが利用してくれて、月間ページビュー数がおよそ100万に達する。読者は皆、デザイン現場の「舞台裏」を見ることができるのは貴重だ、と喜んでくれる。この種の情報は他ではなかなか得られず、実用性が高いし、制作意欲を刺激する、とのことだ(謝礼付きで好意的なコメントを募ったんだろう、などと思わないでほしい)。
実績あるデザイン事務所のポートフォリオを埋め尽くすのは大抵、完成作品の実例ばかりだ。中には、不採用に終わった案が1つか2つ紹介されるケースもあるが、デザイナーとクライアントとの間で実際にどのようなやり取りがあったかはほとんど語られない。つまり、彼らが最初の1歩を正しく踏み出すためにどのような質問が必要だったか、どのようにデザイン仕様書を作成し、その内容に沿ったデザイン案を生み出したか、そして、どのようにそれらのデザイン案を提出し、クライアントの承認を取り付けたかは、明らかにされないのだ。だが、デザイナーにとって本当に貴重なのは、そのような細部の情報だ。
本書のコンセプトは、そこから生まれた。本書の初版は2009年に出版され、10ヵ国語に翻訳された。英語版は、重版が何度か繰り返された。あれから5年。全体に手を入れて、内容をブラッシュアップするなら今だ。そのようにして出来上がったこの第2版では、経験が増えた分、アドバイスできることも増えたし、新たな協力者を得て、新しい事例を紹介することもできた。たくさんの才能あるデザイナーたちから、新たな深い洞察を得ることもできた。
本書を読み終えたとき、君はきっと準備万端でクライアントの獲得に乗り出し、名作級のブランド・アイデンティティを生み出せるようになるはすだ。もし僕が、デザイナーとして独立した2005年にこんな本を読んでいたら、思い悩んで眠れない夜を、あれほど何度も過ごさずに済んだだろう。
Logo Design
海外のロゴが数多く掲載
見開き2ページに関連あるロゴがまとめて掲載され、同じ項目のロゴでもそれぞれ比較することが可能になっています。また、フルカラーで有名なロゴも数多く載っており、非常に見応えがあります。海外のロゴに興味がある方、デザインの幅を広げたいと思っている方に手にとってもらいたい一冊です。

CONTENTS
FOREWORD /INTRO/CASES
Foreword: ULI MAYER-JOHANSSEN Brands & Identity
Introduction: WALLY OLINS What Branding is All About Today
Case 01: METADESIGN
The Most Beautiful French Come from New York: Exhibition ID
Case 02: SASHA VIDAKOVIC (SVIDESIGN)
Big & Small, East West: How Design Can Improve Brands
Case 03: MIKE JOHN OTTO (BLACKBELTMONKEY)
The Core Elements of a Design Studio Corporate Identity
Case 04: DAVE KINSEY (BLK/MRKT)
The Making of Burton Outwear Fall/Winter 2007
Case 05: STEFAN SAGMEISTER (SAGMEISTER INC.)
Logo Generator for a Music Centre: Interview with Stefan Sagmeister
Case 06: MICHEL DE BOER & TOM DORRESTEIJN (STUDIO DUMBAR)
The National Chinese TV Competition Identity
Case 07: MARTA DI FRANCESCO (MTV EUROPE)
Electro Folk: MTV’s New Visual Language for Emerging Markets
Case 08: ATELIER TÉLESCOPIQUE
Identity in the Digital Era: Pictomato for Mobile
Case 09: DEAN DI SIMONE (TENDER)
Exploring the Sundance Channel Identity Online
Case 10: JACOB BENBUNAN (SAFFRON BRAND CONSULTANTS)
Vueling: Low Cost, High Style in the Skies above Barcelona
Case 11: JOOST PERIK (BSUR AMSTERDAM)
Case 12: JEFF KNOWLES (RESEARCH STUDIOS)
Xindao: the Redesign of a Sports Brand from China
Case 13: FRIDA LARIOS (IDEAS FRESCAS)
The Heritage of the Maya: Redesigning an Ancient Identity
LOGO COLLECTIONS
CREATIVE INDUSTRY
Advertising Agencies, Architects & Architecture offices, Artists,
Branding Companies, Designers & Design Offices, Film Production studios,
Illustrators, Industrial & Product Designers, Photographers
EVENTS & ENTERTAINMENT
Championships, Contests, Exhibitions, Fairs, Festivals, Shows, Theatre Co.
FASHION & APPAREL
Clothing, Eyewear, Footwear, Accessories
INSTITUTIONS, GOVERNMENT & REGIONAL
Associations, Churches, Cities, Clubs, Colleges, Communities, Countries,
Foundations, Institutions, Museums, Organisations, Universities, Schools
MEDIA
Books, Campaigns, Films, Magazines, Newspapers, Portals, Publishers, Radio, TV, Websites
MUSIC
Artists, Bands, Concerts, DJs, Music Festivals, Music Websites, Record Labels
RETAILERS & FOOD OUTLETS
Bars, Cafés, Markets, Shopping Malls, Restaurants, Stores
SERVICE & BUSINESS
Banking, Catering, Consulting, Hotels, Insurance, Logistic, Telecommunication, Transportation, Printing Service, Spas, Yoga Studios
MISCELLANEOUS
Beverage, Electronics, Food, Sports, Transport
INDEX/LOGOS
INDEX/STUDIOS
萌えロゴデザインぱーふぇくとまにゅある
萌えロゴを作りたいならこの1冊
有名なアニメ、漫画、ライトノベル作品のロゴを事例に、クライアントからの要望でブラッシュアップしていく過程などが1から図解されています。私たちが目にしているタイトルロゴが出来上がるまでに、何度も何度もブラッシュアップを重ねていく過程にのめり込んでしまいます。
さらに、ロゴデザインの制作過程を通して作品の裏側をより深く知ることができる本書は、ロゴデザインの勉強だけではなく、アニメや漫画好きの方にとってとても魅力的な一冊です。
目次
本書の構成
Chapter 1 有名萌え作品のロゴ制作
CASE 01 ガールズ&パンツァースト
>> Designer OverDriveDesign
CASE 02 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
>> Designer シイバミツヲ(伸童舎)
CASE 03 中二病でも恋がしたい!
>>Designer 末岡弥美(NPC)
CASE 04 のんのんびより
>>Designer 杉本智行(uni-co)
CASE 05 世界征服 ~謀略のズヴィズダー~
>>Designer 吉村明子(bright design)
CASE 06 生徒会役員共
>> Designer 掛川富士雄(Kake-studio)
CASE 07 さばげぶっ!
>>Designer GAROWA GRAPHICO
CASE 08 ご注文はうさぎですか?
>>Designer 木緒なち(KOMEWORKS)
Chapter 2 萌えロゴデザイン アイデア&テクニック
IDEA 01 かわいらしいモチーフでロゴを飾る
IDEA 02 パステル調の色彩と丸みで魅せる
IDEA 03 半透明処理を施し優しい雰囲気に
IDEA 04 意図的に間をつくり萌えっぽさを出す
IDEA 05 厚みのあるフチ文字で萌え感を出す
IDEA 06 文字の密度を高めて塊感を演出
IDEA 07 ひと文字ずつ円で囲みリズムをつける
IDEA 09 吹き出しで台詞っぽく演出する
IDEA 10 シンボルマークで文字にアクセントを
IDEA 11 濁点や半濁点をデフォルメする
IDEA 12 クレヨンで描いたような印象に
IDEA 13 漢字を部分的にデフォルメする
IDEA 14 光彩状の影で優しい印象に
IDEA 15 パターンでデコレーションする
IDEA 16 手書き風の文字で萌え感を出す
Chapter 3 萌え表現で活躍する日本語フォント
FONT 01 わんぱくゴシックN
FONT O2 はるひ学園
FONT 03 ユールカ
FONT 04 ラグランパンチ
FONT 05 TA-丸花巻
FONT 06 TA-Jグー
FONT 07 DF優雅宋
FONT 08 ロゴJr
FONT 10 JTC神楽
FONT 11 シーモオープンボールド
FONT 12 くれよん
FONT 13 あくびん
FONT 14 KFひま字キッズ
FONT 15 私の国のアリス
FONT 16 みんとキッス
FONT 17 けいふぉんと!
FONT 18 やさしさゴシック
FONT 19 みつばと!
本書の構成
Chapter 1 有名萌え作品のロゴ制作
超有名作品の裏側を徹底取材!
漫画・アニメ・ライトノベルなどで有名な9つの作品のロゴを手がけた各グラフィックデザイナーに、完成に至るまでの制作手順などを詳しくうかがいました。貴重なラフスケッチやボツ案なども公開しています。
Chapter 2
萌えロゴデザイン アイデア&テクニック
萌えロゴのつくりかたを徹底解説! 「萌えといえばこういうロゴ」という17のデザインパターンについて、それぞれPhotoshopやIllustratorで加工して仕上げる方法をていねいに解説しています。
Chapter 3
萌え表現で活躍する日本語フォント
萌えとの相性バッチリなフォントを徹底紹介! ロゴ制作に欠かせないフォント選びのガイドとして、商用フォント、フリーフォントそれぞれ10書体を、萌えっぽい組み見本と共
に掲載しています。