楽々LATEX 第2版

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Latex基本がしっかり分かる

texの文章を書くときに使うコマンドを中心にまとめられています。本書は読みやすくわかりやすい上、コマンドの意味、使い方を知りたいときにすぐ調べられて、とても親切な一冊です。LATEXの教科書として最適ですので、初心者の方は是非お手に取ってみては如何でしょうか。

野寺 隆志 (著)
出版社: 共立出版; 第2版 (1994/6/15)、出典:出版社HP

まえがき

たぶん,この本を手にした読者は, TEX(テフまたはテック)という言葉をどこかで聞いたことのある人が多いと思う. TEX は, スタンフォード大学の Donald E. Knuth(クヌース) 教授が作成した文書整形システムである.現在, TEX はパブリックドメインで提供されており,世界中で広く利用されている.その出来上りは活版印刷に匹敵するものであり,一度これを学ぶとなかなか捨て難いものでもある.また,近年,日本語を利用できるシステムも現れ、我が国でも脚光をあびているシステムである.

TEXには、コンピュータサイエンスや数理物理学に関する本や論文に必要な機能はすべて含まれているといっても過言ではない.特に,数式に関しては他の追従を許さないものがある.反面, TEX には豊富な文書のレイアウト機能が備わっているので、このような文書処理系に未知のユーザにとっては、これを学習しようと思うこと自体が,なかなか勇気のいる代物である.

そこで現れたのが, Leslie Lamport(ランポート)によって開発された LATEX(ラテフまたはラテック)である。この LATEX は, UNILOGIC 社の文書整形システム Scribeとコマンド体系が同じに作られており,文書の論 理構造と内容のみを指定するように設計されている。したがって,最初に TEXを学ぼうと考えているユーザにとって, LATEX はたいへん親しみ易い システムであり、ほぼ簡単な規則さえ学習すれば,だれでもが TEX のすばらしい印刷を楽しめるようになる.本書は,この LATEX の解説書である.というより,例題集といったほうがよいかもしれないこのような文書処 理系は使ってみないとわからないことが多いので, LATEX の評論家になったり、人にやらせたりせずに、ぜひ自分で使ってみてほしい. TEX をきら いだといっている人の多くは、どうも自分で使っていない人が多いような気がするからだ。とにかく、最初は例題を見て, エディタを使って白章を入力し、ファイルを作り,LATEX 処理系を使ってタイプセットしてほしい.そうすれば,必ず快適な LATEXing ができるようになるからだ.

また,本書は, 従来の LATEX の本には,あまり詳しく記述されていなかった数式に関する事柄をくわしく記述してある。もし数式を必要としない読者は、その章をとばして読んでいただいても差しつかえない. しかし、 数式は興味を持つとなかなか工夫のしがいのある事柄もたくさん含んでおり,意外な所で役立つコマンドも豊富にそろっているので,いちどは読んでほしい章でもある。

本書は,当然のことながら全面的に日本語化したLATEX を用いて記述してある.また,草稿を検討してくれた慶應義塾大学理工学部計算機科学専 攻の大学院の学生諸君に感謝するしだいである.特に,草稿を読んでくれた大学院生の松永君や廣瀬君には、大変お世話になった.また,慶應義塾大 学理工学部電気工学科の大野義夫先生と bit 編集部の小山透さんにも感謝するしだいである。

1990年5月
野寺隆志

野寺 隆志 (著)
出版社: 共立出版; 第2版 (1994/6/15)、出典:出版社HP

第2版まえがき

『楽々LATEX』の初版を出版して、はやくも4年の歳月が過ぎ去った.この間に, LATEX の普及は目覚ましく,理工学の分野の学生や研究者だけで なく,様々な分野の人々に使用されるようになった.

初めは小生も舶来の LATEX がこれほどまでに普及するとは思ってもいなかった.これも日本人の古来からのあこがれといえる南蛮渡来ごのみの一つなのかもしれないが,まさに驚くばかりだ.TEX や LATEX の文書整形 の美しさだけではなく,日本語が使用可能なJ TEXやJLATEX の出現が,これらの文書整形システムを我が国に急速に普及させたといえる。やはり, TEX の日本語版を完成させたアスキーや NTTの人達が最大の貢献をしているように思われる.特に、アスキー版は日本語の本格的な縦書きにも対応する EX を完成させ, NTT 版はオリジナルな TEX V. 3.14 に準拠するJ TEX を作りあげたことは驚嘆に値する.これらのTEX を完成してくれた人達は、全く利益を度外視して手弁当でしてくれたことを思うと、頭が 下がる思いがする.また,本格的な日本語 TEX とプリンタドライバをパソコン上に移植して入れた人達の貢献も高いように思う.当然,この作業に当ってくれていた人達にもTEXに対する Knuth 教授の一貫した思想が流れているように思う. TEXは明らかにこれらのボランティアの力に支えられ, 発展してきたものである.これからもTEXに対するボランティアの火を消してはならないことが,次の世代に現れる文書整形システムを支援する根幹になるように思われる.

現在, TEXは新しい局面を迎えている. TEX V.3.0以降のバージョンからは、欧米のいくつかの言語に対応するようになった.当然, LATEX も同様で, IATEX(International LATEX) が主流であることは言うまでもない. 特 に、従来の LATEX の機能を強化した、新しい LATEX V. 3.0 の開発がドイツの Mainz のグループを中心として行われている.現在, LATEX V. 26 と 呼ばれる暫定版が提供されているが, LATEX V. 3.0 が完成するには,少し 時間がかかるようだ。そこで, Mainz のグループは, V. 3.0 が完成するまでの繋ぎとして, V. 2.09 や V. 2𝜀などで利用できるいくつかの拡張マクロを提供している.なお, LATEX V.2cや LATEX V. 3.0 の風を感じるには、 Goossens et al. [31] の一読をお勧めする. LATEXing に疲れたときには,気 分転換に辰濃 [74] を読んでみるのもよい.

当初の考えでは, 新しい LATEX V. 3.0 が完成したおりに,改訂版のことを考えていた.『楽々LATEX』は,初版と比較すると,常に改訂版と言ってよいくらい, 本文に修正を加えてきた.しかし、版を重ねるに従って,物足りなさと,いくつかの欠点を本格的に修正したいと考えるようになった. そこで,今回, 思いきって全面的に変更を加えた第2版を出版することに した.ただし,大部分の箇所はオリジナルの『楽々LATEX』を踏襲していることは言うまでもない、小生もいまだ未熟者で, 若い学生や研究者たち に教えられることが多く、日々の努力の足りなさを痛感している現在である。なにせ浅学の身であるので、これからも皆さんの御教授を願いたい.
本書は今回も全面的に日本語化されたJLATEX を用いて記述してある.また,図はすべて picture’環境を用いて記述している.図版の貼込みに関してもいっさい行っていない、LATEX を使えば,この程度の本は出来上がるというところをみてほしい。
最後に, 草稿を読んで根気よくチェックを入れてくれた慶應義塾大学理工学部大学院数理科学専攻の稲津隆敏君,大坪敏昌君, 川北淳平君, さらに計算機科学専攻の阿川典夫君,安部毅君, 伊東紀子さん, 小杉尚子さんなど の院生諸君には、たいへんお世話になった.また,第2版の出版にあたり, 今回も一冊の本を仕上げる過程でお世話になった共立出版編集部の小山透 さん, 校正を手伝ってくださった樋口洋子さん, 昼食を共にしながらいつ も貴重なアイデアやアドバイスをいただく理工学部電気工学科の大野義夫 先生にも感謝する次第である.さらに、本書の成立にあたり,今まで貴重 な御意見をいただいた皆様や御援助を下さった方々にもあわせて謝意を表したい。

1994年5月
野寺隆志

野寺 隆志 (著)
出版社: 共立出版; 第2版 (1994/6/15)、出典:出版社HP

目次

まえがき
第2版まえがき
1 はじめに
1.1 TEXとは
1.2 LATEXを使った論文例
1.2.1 JLATEXを使った和文の論文例
1.2.2 LATEXを使った英文の論文例
1.2.2.1 1段組の例
1.2.2.2 2段組の例(その1)
1.2.2.3 2段組の例(その2)

2 LATEXとは
2.1 文書のスタイル
2.2 入力テキストファイルの記述
2. 3 文字のスタイルと大きさ
2.4 特殊な文字記号
2.5 環境の設定
2.6 数式
2.7 表や図形
2.8 その他のLATEX の機能

3 LATEX の使い方
3.1 文書の構成
3.1.1 入力ファイル
3.1.2 文書スタイル
3.1.3 標題
3.1.4 章の構成
3.1.5 目次
3.2 基本コマンドと機能
3.2.1 ダッシュ, クウォーテン, ハイフネーション
3.2.2 特殊記号
3.2.3 アクセント記号
3.2.4 空白
3.2.5 行変え, ページ変え
3.2.6 脚 注

4 LATEXの環境と文字フォント
4.1 センタリングなど
4.1.1 センタリング
4.1.2 左寄せ
4.1.3 右寄せ
4.2 箇条書き
4.2.1 itemize 環境
4.2.2  enumerate 環境
4.2.3  description 環境
4.2.4 ユーザ独自の箇条書き環境の定義
4.3 引用文 .
4.3.1 quote環境
4.3.2 quotation 環境
4.4 詩
4.5 テキストをそのまま印字する環境
4.5.1 verbatim環境
4.5.2  verbコマンド
4.6 minipage 環境
4. 7 文 字
4.7.1 フォントの切換え
4.7.2 文字の大きさ
4.8 応用例

5 数式
5.1 数式モード
5.1.1 テキスト用の数式モード
5.1.2 ディスプレイ用の数式モード
5.2 数式用フォント
5.3 基本的な数式
5.3.1 添字
5.3.2 分数と2項係数
5.3.3 ギリシャ文字
5.3.4 ベクトル
5.4 総和記号と積分記号
5.5 直立した積分記号
5.6 変化する記号
5.6.1 上線, 下線, 矢印
5.6.2 根号
5.6.3 括弧
5.6.4 数式の上下の括弧記号
5. 7 関数
5.7.1 関数記号
5.7.2 文字で表す関数
5.8 空白の制御
5.9 複合記号
5.10 ドット記号
5.11 配列と行列 ,
5.11.1 配列の基本形
5.11.2 行列と行列式
5.11.3 数式の場合分け
5.12 連分数
5.12.1 連分数の基本形
5.12.2 連分数の省略形
5.13 数式の縦揃え
5.14 数式番号
5.15 定義, 定理
5.16 定理の証明の終りを示す記号
5.17 可換な図式
5.18 化学式
5.19 AMSFonts V. 2.1 の使用

6 表の作成
16.1 基本的な作表の考え方
6.2 tabbing 環境
6.3 tabular 環境
6. 4 表のレイアウトと管理
6. 5表の作成の応用
6.5.1 プログラムリスト
6.5.2 お料理のレシピ
6.5.3 その他の応用例

7 図形の描画
7.1  picture
7. 2 図形コマンド
7.2.1 直線と矢印付きの直線
7.2.2 円
7.2.3 ボックス
7.2.4 長円
7.3 図形のレイアウトと管理
7.4 Bézier 曲線
7. 5 ポストスクリプトの図形の挿入

8 文書のレイアウト
8.1 文書の構成
8.2 プリアンブル
8.2.1 ページのレイアウト
8.2.2 2段組
8.2.3 文書の途中からの2段組への変更
8.2.4 ページのヘッダ
8.2.5 2段組の本文で1段組のアブストラクト
8.3 標題, 章, 節
8.4 前書き
8.5 相互参照
8.6 付録
8.7 用語索引の生成
8.8 用語一覧の作成
8. 9 入力テキストファイルの分割
8.10 LATEX の補助ファイル
8.11 英文手紙

9 参考文献の作成
9.1 文献データの,本文への書込み
9.2 文献データの,別ファイルでの記述
9.2.1 エントリー
9.2.2 フィールド
9.2.3 雑誌名の自動参照
9.2.4 文献の引用
9.2.5 BIBTEXの使用
9.3 目次への出力

10 コマンドいろいろ
10.1 マクロの定義
10.2 新しい環境を定義するコマンド
10.3 カウンタ
10.4 脚注マークの変更
10.5 ボックスコマンド
10.5. 枠なしボックス
10.5.2 枠付きのボックス
10.5.3 parbox
10.5.4 rule ボックス
10.5.5 ボックスの上下移動
10.5.6 ボックスの保存

参考文献
付録 A  LATEX のコマンド
付録 B  数学記号と空白
付録 C  LATEX のエラーメッセージ
付録 D  AMS-LATEX
付録 E  LATEX contributions
付録 F  縦書き
付録 G  図と文の組合せ
コマンド索引
用語索引
‘\date’を使ったアブストラクトの記述
屋号一覧
TEX, LATFXの入手方法
フラジール (fragile) なコマンド
SLITEXについて
表や図の見出し番号の後のコロン
定理環境の中でローマン体のフォントの指定 .

野寺 隆志 (著)
出版社: 共立出版; 第2版 (1994/6/15)、出典:出版社HP