LATEX快適タイピング (I・O BOOKS)

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INTEXも学べる

LATEXの理解をより深めるために活用できる一冊です。快適なタイプを実践するアイデアがたくさん詰め込まれており、LATEXをより楽しく使えるようになります。既にLATEXに触れられている方で、そろそろ中級者向けの勉強をしたいと考えている方にお勧めです。

小林 雅人 (著)
出版社: 工学社 (2016/03)、出典:出版社HP

 

はじめに

本書は数式の組版ソフト「INTEX」の使い方を初中級者向けに解説したものである。

「LATEX」は数式を表現豊かに出力できる一方で、複雑で扱いづらい一面がある。
とくに、「コマンドを入力する際の手間」や「文法のエラーを修正するタイプに要する労力」はかなりのものだ。
では、「LATEX」をなるべく快適に使うにはどうしたらよいか。

「奥村晴彦、LATEX 2e美文書作成入門、技術評論社、改訂第6版」をはじめとして「LATEX」の解説書はたくさんある。だが、残念ながら、このような観点から解説した成書は見当たらなかった。

そこで本書では、「LATEX」の使い方を簡単に解説するとともに、著者が思いついた快適なタイプを実践するアイディアをたくさん含めておいた。
読者が「LATEX」をより楽しく使えるようになってくれれば、これほど嬉しいことはない。

小林 雅人

小林 雅人 (著)
出版社: 工学社 (2016/03)、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに

第1章 イントロダクション
[1.1] LaTeXとは
[1.2] 特長
[1.3] 快適にタイプしたい
[1.4] 本書の目的

第2章 LaTeXの基本
[2.1] クイック・スタート
[2.2] 「テキスト・モード」&「ディスプレイ・モード」
[2.3] 分数
[2.4] 数式内の「スペース」
[2.5] 「別行立て」の式
[2.6]「指数」と「添字」
[2.7] 平方根
[2.8] 「和」と「積」の記号
[2.9]「カッコ」の出力
[2.10] 二項演算、二項関係
[2.11] ギリシャ文字
[2.12] ドット
[2.13] フォントの変更
[2.14] 「数式」の「フォント」
[2.15] 文字サイズの変更
[2.16] アクセント
[2.17] 引用符
[2.18] ダッシュ
[2.19]特殊記号
[2.20]否定記号
[2.21] 矢印

第3章 LaTeXの応用
[3.1] 環境とは
[3.2] 定理環境
[3.3] 箇条書き
[3.4] カウンタ
[3.5] コマンドの自作
[3.6] 表の出力
[3.7]「証明終」の記号
[3.8] 一般分数
[3.9] 脚注
[3.10] ミニページ
[3.11] セクショニング
[3.12]引用&強調
[3.13] box環境
[3.14] ファントム・コマンド
[3.15] 参照

第4章 LaTeXの詳細
[4.1] 「ドキュメント・クラス」のオプション
[4.2] パッケージ
[4.3] 改行、改ページ
[4.4] 左寄せ、中央寄せ、右寄せ
[4.5]「長さ」の単位
[4.6]インデント
[4.7] レイアウト
[4.8] スタイル・パラメータ

第5章 快適タイピング:考え方
[5.1] 生産性を上げよう
[5.2] 執筆のタスク
[5.3] ハイパー・タスク
[5.4] 認知コストを減らす
[5.5] パレートの法則
[5.6] 視認性、一覧性
[5.7] まとめ

第6章 快適タイピング:方法
[6.1] ショートカット・キー
[6.2] 日本語入力ソフト
[6.3] 単語登録
[6.4] マクロ
[6.5] コマンド補完
[6.6] キー・バインド
[6.7] クリップ・ボード拡張
[6.8] 「プリ・アンブル」のアップデート
[6.9] コメントアウト
[6.10] LaTeXエディタの「検索」&「置換」機能
[6.11] 草稿のプリントアウト
[6.12] 無効化&ダミーコマンド
[6.13] OKコマンドを作る
[6.14] 迷子テキストの処理
[6.15] 「並べ替え」と「サポート・ファイル」
[6.16] ラーニング・ファイル

第7章 快適タイピングの工夫例1 微分積分
[7.1] 関数
[7.2] 指数関数
[7.3] 「階乗」と「二項係数」
[7.4] 導関数
[7.5] 三角関数
[7.6] 逆三角関数
[7.7] 極限記号
[7.8] 積分
[7.9] 連分数
[7.10] 複素数

第8章 快適タイピングの工夫例2 線形代数
[8.1] 集合
[8.2] ベクトル
[8.3] 内積
[8.4] 行列
[8.5] 転置行列
[8.6] 基本変形
[8.7] 連立方程式
[8.8] 行列式
[8.9]「余因子」&「拡大係数」行列
[8.10] ブロック行列
[8.11] 対角行列

第9章 FAQ
[9.1] 「数式モード」で「直立体」の「文字」を使いたい
[9.2] 目立つ「定理」環境を作りたい
[9.3]「目次」「表のリスト」を出力したい
[9.4] 「目次の深さ」を変えたい
[9.5] 「目次」に「項目」を追加したい
[9.6] 「セクション」の「出力スタイル」を変えたい
[9.7]「表」や「図」の「キャプション」の「名称」を変えたい
[9.8] 「スペース」を調節したい
[9.9]「書き込み式」のプリントを作りたい
[9.10]「今日の日付」を出力したい
[9.11] 「中身」を「数式」と見なす「箱」を使いたい
[9.12] いろいろな「箱」を使いたい
[9.13]「定理環境」の「番号スタイル」を変えたい
[9.14]「付録」をつけたい
[9.15]「ページ」を「拡大」したい
[9.16] 「ページ数」を「出力」したい
[9.17] [ページ数」の「出力」を抑えたい
[9.18]「ヘッダ「フッタ」を「カスタマイズ」したい
[9.19]「区切り線」を出力したい
[9.20] 「文字」の「スケール」を変えたい
[9.21] 「文字サイズ」の「大きさ」を知りたい
[9.22]「文字列」を「回転」させたい
[9.23] 「文字」を「反転」させたい
[9.24] 「網かけ」をしたい
[9.25] 「場合分け」を書きたい
[9.26] 整数の合同式を出力したい
[9.27] 複雑な「和」や「極限」を出力したい
[9.28]「文字」の「上下」に「記号」を配置したい
[9.29] 「欄外」に「コメント」を加えたい
[9.30]「参考文献一覧」を書きたい
[9.31] 小さな行列を出力したい
[9.32] 行列で複数列に渡るドットを出力したい
[9.33] 長い式を一行におさめたい
[9.34] 2段組みで出力したい
[9.35]「矢印」を簡単に出力したい
[9.36] ルビをふりたい
[9.37] 圏点(けんてん)をつけて強調したい
[9.38] 表の体裁を変えたい
[9.39] 数式を確実に「ディスプレイ・モード」で出力したい
[9.40] 「分数」の「棒」を長くしたい
[9.41] 「カッコ」の大きさを微調整したい
[9.42] 「カッコ」の大きさを間違えずに出力したい
[9.43] スペースの入れ方

LaTeX情報源
索引

LATEXのインストールについて

本書では、「LATEX」の環境が整っていることを前提に解説しています。LATEX環境の整え方はいろいろありますが、たとえば「はじめに」で紹介した奥村先生の本や、下記の北海道大学阿部紀行氏のウェブサイト (Windows) などが参考になると思います。
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/abenori/soft/abtexinst.html

●各製品名は、一般に各社の登録商標または商標ですが、○RおよびTMは省略しています。

小林 雅人 (著)
出版社: 工学社 (2016/03)、出典:出版社HP

第1章 イントロダクション

まずは「LATEX」というソフトがどういう特徴をもつか、簡単に解説をする。
そのあと、本書の執筆の動機を紹介しよう。

1.1 LATEXとは

LATEXとは、1970年代後半にスタンフォード大学ドナルド・クヌース (Donald Knuth) が開発した数式を美しく出力するための組版ソフトTEXをもとに、DEC社のレスリー・ランポート(Leslie Lamport)が1980年代半ばに作った、無料の文書作成ソフトである。
TEXはテック、テス、LATEXはレーテック、ラテック、ラテフなどと読む。
ただ、読み方は特に決まっているわけではない、とランポート自身も述べている。LATEXは、次のような数式も軽々と出力する。

1.2 特長

LATEX Xには多くの特長がある。
・とにかく無料である。インターネットで誰でも簡単にダウンロードできる。
・いろいろなOSで使用可能だ。
・欧文はもちろんのこと、日本語(全角文字)も使える。 ルビ、漢字、縦書きなども扱える。
・数式に限らず、化学式、楽譜、グラフィック、カラー画像、プレゼンテーション用のスライドなども扱える。
特に、それらを含めた「psファイル」や「pdf ファイル」を出力できる
・多くの学術雑誌では、LATEX を用いて原稿を執筆&投稿することを推奨している。この傾向はかなり広がっていて、数学だけに留まらない。
・DTP (Desk Top Publishing) も可能。
執筆者が、本のデザインやフォントなどかなり細かい部分まで手を加えてから印刷所へ持ち込むことができる。もちろん本書も LATEX を用いて執筆した。

1.3 快適にタイプしたい

しかし、こんな便利なLATEXにもいくつか難点がある。
・習熟するまでに数週間単位の時間がかかる。LATEXの入門書を読んだり自分でプログラミングを試すことによって、LATEXの文法を身につける必要がある。
・ タイプ数が多い。たとえば、「V2」を出力するには「$﹨sqrt{2}$」と入力するのだが、まともにやると、これは10回キーを叩く勘定になる。

複雑な数式になるとタイプ数は増えるので、当然、タイプミスも多くなる。 すると、LATEXはエラーを出す。
これは、執筆のモチベーションに大きな影響を及ぼす。
・とても奥が深い。凝ったことをしようとすると、いろいろ細かい設定を知っておく必要がある。

このため、STEXの出力例を知り、知識を増やすとともに、快適にタイプできる仕組みを作りたい、というのがユーザーの潜在ニーズではないだろうか。

1.4 本書の目的

以上の IATEX の特徴をふまえ、本書は3つの狙いを定めて執筆した。

クイックスタート(第2章~第4章): 初学者が LATEX の文法に馴染めるよう、簡単な使い方や例を説明した。よく使う記号の一覧表なども作った。
生産性向上(第5章~第8章): LATEX を覚えて少し経つが、もっと快適にタイプをしたいと思っている初中級者に、そのためのアイディアを詳しく紹介 した。もちろん、OS やエディタに依存せず使える方法ばかりだ。また、微分積分と線形代数でその実践例を示した。
FAQ(第9章): INTEX 初学者によくある質問をまとめておいた。

これは、類書にあまりない構成だと思う。本書を読み、読者が INTEX をもっと楽しく使えるようになれば著者としてこんなに嬉しいことはない。

小林 雅人 (著)
出版社: 工学社 (2016/03)、出典:出版社HP